基準値 陰性
測定法 リアルタイムRT-PCR法
検体量 急性期(発症からできるだけ早い時期)の全血(EDTA),血清および尿(必須)少量(採血日時を記録)
日数 1~3日
目的 急性期のジカウイルスRNAの検出
Decision Level
●陽性
[高頻度]ジカウイルス感染と確定.追加して他のウイルス検査を行う必要性は低い
●陰性あるいは判定不能・判定保留
[高頻度]ジカウイルス非感染 [可能性]偽陰性 [対策]抗ジカウイルスIgM抗体検査未実施ならば,地方衛生研究所または国立感染症研究所にこれを依頼する.併せて黄熱,チクングニア熱,デング熱,マラリアなどの可能性を検討する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ジカウイルス感染は蚊が媒介する.感染者の約8割は不顕性である.顕性感染では,発症後1~6日で陽性になり,それ以降,血液では陰性となる.尿RT-PCRは,血液RT-PCR陰性後も陽性になるので発症後14日までは推奨される.
[感度・特異度]
他のフラビウイルス(黄熱,日本脳炎,ウエストナイル,デング,チクングニア)と交差しない.
判読
血清からウイルス核酸が消失した後も尿からはより長期間にわたってウイルス核酸が検出される.
採取保存
全血検体の場合,抗凝固剤としてEDTAを使用する.全血,血清,尿は0~4℃に保ち検査施設に送付する.ウイルス分離用の検体(血清が望ましい)は-80℃以下で保存し,ドライアイス詰めにして送付する.
測定前後の患者指導
感染が疑われる女性については,妊娠しているかどうか確認する.なお,ジカウイルス核酸検出検査(行政検査)時は,流行地への渡航の有無の「確認」が必須である.ただし渡航していなくても行政検査は依頼可能.流行地への渡航歴のある妊婦は検査が勧められる.
推奨する総説
国立感染症研究所:蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第5版).
(北村 義浩)
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