基準値 陰性
測定法 PCR法
検体量
・皮膚病変:2カ所以上の皮膚病変から採取する〔疱液・膿疱液(少量),病変部スワブ,痂皮(1片)または水疱蓋・膿疱上蓋(1片)〕
・粘膜病変:スワブ
日数 1日(送付も含めて数日)
NOTE 行政検査として国立感染症研究所や地方衛生研究所などで実施される.疑いのある患者に遭遇した場合は保健所に連絡する
目的 サル痘ウイルス感染の診断の補助
Decision Level
●陽性
[高頻度]サル痘 [対策]ウイルス分離を行う.接触歴(性的接触歴を含む),天然痘ワクチン接種歴などを聴取する.HIV検査と梅毒血清検査も追加することを検討する
●陰性
[高頻度]サル痘が否定される [可能性]水痘または梅毒 [対策]水痘検査を実施する(水痘・帯状疱疹ウイルス抗原迅速定性検出キットが外来では便利であろう).梅毒検査を実施する(RPR,TPHAなど)
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
サル痘の発疹は皮膚だけではなく,粘膜部(口腔,陰部の粘膜),結膜や角膜にも生じることがある.典型症例では,発疹は水疱→膿疱→痂皮とほぼ同調して変化し脱落する.それらすべてに感染性ウイルスが含まれるので,検体として適している.検体中のウイルス遺伝子をPCR法で特異的に増幅し,リアルタイムでその増幅を確認することで陽性判定を下す.サル痘の初期においては,発疹の様相からのみでは水痘,麻疹,梅毒などの他の発疹症との鑑別が困難なので,サル痘遺伝子検査は鑑別に役立つ.
[感度・特異度]
適切に検体が採取されていれば,感度も特異度も高いと推定される.おそらく 90%以上.
[関連する検査]
水痘・帯状疱疹ウイルス抗原キット(デルマクイック®VZV),水痘・帯状疱疹ウイルス免疫グロブリンM,水痘・帯状疱疹ウイルス免疫グロブリンG,水痘・帯状疱疹ウイルス抗体,梅毒血清検査.
[特定背景のある患者]
常在地・流行地(アフ
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