基準値 30U/mL以下
測定法 IRMA(ビーズ固相法)
検体量 血清0.2mL
日数 3~7日
目的 膵癌,胆道癌の診断,治療効果,再発の指標
Decision Level
●30~1,000U/mL(軽度~中等度増加)
[高頻度]膵癌,胆道癌,肝細胞癌,肝硬変 [可能性]胃癌,大腸癌,食道癌,肺癌,悪性リンパ腫,慢性肝炎,急性肝炎,慢性膵炎,乳癌 [対策]膵・胆道系の癌を疑い,エコー,CT,EUS,ERCPなどの画像診断による検索を進める
●1,000U/mL以上(高度増加)
[高頻度]膵癌,胆道癌 [可能性]胃癌,大腸癌 [対策]膵・胆道系の癌の存在する可能性が高いのでより厳密な検査を行う.また,画像的に癌が証明されない場合でも,厳重な経過観察を必要とする
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
SPan-1抗原はヒト膵癌細胞株SW1990を免疫原とするモノクローナル抗体を認識する抗原で膵癌細胞の膜および分泌物中に存在する.正常膵管上皮と腺房細胞の一部,胆管上皮,腎細尿管上皮,および気管上皮に軽度に認められる.
カットオフ値を30U/mLとしたとき,膵癌における陽性率は81.9%,切除可能なStageⅠ,Ⅱ例でも80.0%と高い陽性率であった.また他の消化器癌では,胆道癌で70.3%,肝癌で56.0%,胃癌で31.4%,大腸癌で28.7%が陽性を示したと報告されている.一方,良性疾患において,急性膵炎で16.7%,慢性膵炎では13.6%が陽性を示したにすぎず,その濃度も200U/mL以下であることから,血中SPan-1抗原は膵癌の診断,特に慢性膵炎との鑑別に有効とされる.
また外科的治療に関連して変動することから,その測定は臨床経過の観察にも有効である.
細胞接着分子であるE-セレクチンと結合するリガンド糖鎖であるため,その発現は癌の血行性転移の危険因子とみなされている.
また,日本人に5
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