基準値 AFP-L3%:10%未満
測定法 マイクロチップイムノアッセイ(μTAS:和光純薬)
NOTE 現在使用可能な分析機はμTASのみで,マイクロチップで電気泳動を行い免疫学的に測定するものであり,血清使用量は4μLと少ない(デッドボリュームは100μL)
検体量 血清約0.3mL(希釈してAFP50~200ng/mLとして使用),100μL強
日数 2~4日
目的 AFP陽性肝疾患(特に肝細胞癌)の鑑別診断.AFP20ng/mL以下の低濃度域での早期肝細胞癌の診断と予後判定が可能
Decision Level
●AFP-L3%:10%以上(陽性)
[高頻度]肝細胞癌55%,劇症肝炎,肝芽腫,胚細胞腫瘍 [可能性]肝硬変+慢性肝炎6.1%,AFP産生消化器癌 [対策]陽性で判定結果を裏づける肝癌の画像所見が得られない場合は,月1回通常のAFP定量法で経過観察し,3カ月に1回程度,本検査を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
AFPの分子上にある,マンノースで分岐する(bisecting GlcNAc構造)糖鎖は産生細胞によって異なる.このうち肝細胞癌由来のAFP糖鎖はフコシル化が高まっており,それがレンズ豆レクチン(LCA)と強い親和性をもつことを利用して,総AFP中レクチン結合分画比から他細胞由来のAFPと鑑別する検査法である.
慢性肝炎や肝硬変はLCAとの親和性が弱くL1分画が増えるので,L3分画の増加から肝細胞癌の発生を早期に診断できる他,原因不明のAFP上昇の鑑別にも有効である.また,L3分画が高い肝細胞癌は悪性度が高く治療抵抗性が多い.
[感度・特異度]
肝細胞癌の診断目的で10%をカットオフ値とした場合の感度は20%と低いが,特異度は99%と高い.
[関連する検査]
肝細胞癌の早期診断,予後判定のためにAFP,PIVKA-Ⅱ,腹部超音波検査,ダイナミックCT/MRIを適宜併
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