診療支援
検査

CA125(糖鎖抗原125)   140点(包)
carbohydrate antigen 125
今井 浩三
(札幌しらかば台病院 先端医療研究センター所長/札幌医科大学名誉教授)
安井 寛
(聖マリアンナ医科大学特任准教授・内科学(血液・腫瘍内科))

基準値

・男性,閉経後の女性:25U/mL未満

・閉経前の女性:40U/mL未満


測定法 RIA,EIA,CLEIA,CLIA,ECLIA


検体量 血清0.5mL


日数 2~3日


目的 卵巣癌,子宮癌の腫瘍マーカー


Decision Level

●男性,閉経後の女性:25U/mL以上(増加)

●閉経前の女性:40U/mL以上(増加)

[高頻度]卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌,ムチン性嚢胞腺癌),肝癌,胆道癌,膵癌,子宮内膜症 [可能性]子宮頸癌,子宮体癌,胃癌,結腸癌,肺癌,癌腹膜転移,良性卵巣腫瘍,子宮筋腫,腹膜炎,胸膜炎,妊娠初期(12週まで),月経期,産褥期 [対策]問診や基礎体温表による月経周期の確認,尿妊娠反応,超音波検査による妊娠の有無の検索,炎症性疾患の有無の検索を行う.以上に該当する場合は後日再検とする.また,排卵障害の治療で卵巣過剰刺激症候群となり,ときに高値を示すことがあるので,その既往を確かめることも必要である.以上が否定的ならば,内診,画像診断による卵巣腫瘍の検索およびその他の腫瘍マーカーの検索を行う.腹水があれば細胞診で悪性腫瘍の有無を確認する.卵巣腫瘍が否定的であれば,その他の女性器腫瘍を細胞診,組織診,子宮鏡などで検索する.子宮内膜症では問診が特に重要となる.以上の検査で婦人科疾患が否定的な場合は他臓器の癌も考慮に入れて検査を進める


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 CA125は,Bastらが作製したヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌の腹水細胞培養系を免疫原とするモノクローナル抗体OC125により認識される抗原で,胎生期体腔上皮の分子量20万以上の糖蛋白と関連しており,エピトープはコア蛋白である可能性が疑われている.上皮性卵巣癌患者血清中では高頻度,高濃度に存在することから卵巣癌の腫瘍マーカーとして認識され,診断,治療効果の評価,再発予知のモニタリングなどに有用である.治療による完全

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