基準値 健常女性:63U/mL以下(平均値+2SD)
測定法 酵素免疫測定法(double determinant EIA),ELISA
検体量 血清0.2mL
日数 2~4日
目的 卵巣癌の診断補助
Decision Level
●63U/mL以上(増加)
[高頻度]①著明な高値:卵巣癌72.5%(90U/mL以上は卵巣癌の確率が高い),子宮内膜症58%.②疑いが否定できない疾患:良性卵巣腫瘍17~22%,子宮体癌27.4%,子宮頸癌4% [可能性]腹膜炎,胸膜炎,婦人科以外の腫瘍(膵,胃,大腸,肝,肺の進行癌),月経期と卵胞期の女性4.7%,正常妊娠,異所性妊娠
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
CA602は,CA125,CA130とともに,モノクローナル抗体が認識する糖蛋白分子上のコア蛋白抗原で,卵巣癌,特に漿液性卵巣癌で高率に産生され,血中に検出される.本抗原はCA125分子上にあるがエピトープ構造はCA125とは異なる.
臨床的意義はCA125,CA130と似ており,卵巣癌の診断補助と,卵巣癌と子宮内膜症の治療中および治療後のモニターに利用される.腹膜,胸膜,心膜の炎症でも血中レベルの上昇がみられる.
[関連する検査]
①CA602が陽性値の場合,母核糖鎖のシアリルTnグループのマーカー〔CA54/61,シアリルTn抗原(STN)またはCA72-4〕,ならびに癌関連ガラクトース転移酵素(GAT)を測定し,これらが陽性なら卵巣癌の確率が高まる.②CA602,CA125とCA130は同じコア蛋白分子を認識する腫瘍マーカーなので,併用しない.
[特定背景のある患者]
月経時,卵胞期前半,妊娠初期に高くなる傾向があるため,経過をみるなど注意が必要である.
判読
①CA125に比べて基準域内での変動に再現性があり,フォローアップに適する.②女性の性周期に一致して変動し,月経期から卵胞期に高い傾向が
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/CA19-9(糖鎖抗原19-9) [保] 124点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/α-フェトプロテイン〔AFP〕 [小][保] 101点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CA15-3(糖鎖抗原15-3) [保] 115点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/ヒト精巣上体蛋白4〔HE4〕 [保] 200点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CA125(糖鎖抗原125) [小][保] 140点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/TFPI2(組織因子経路インヒビター2)《PP5(胎盤蛋白質5)》 [保] 190点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CA54/61(糖鎖抗原54/61)《CA546(糖鎖抗原546)》 [保] 184点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/癌関連ガラクトース転移酵素〔GAT〕 [保] 184点(包)
- 新臨床内科学 第10版/3 精巣腫瘍