基準値 4U/mL未満
測定法 IRMA,EIA,ECLIA
検体量 血清0.5mL
日数 2~5日
目的 卵巣癌,子宮癌や消化器系悪性腫瘍の腫瘍マーカー
Decision Level
●4U/mL以上(増加)
[高頻度]胃癌,大腸癌,卵巣癌(ムチン性嚢胞腺癌),膵癌,肺癌 [可能性]肝癌,胆道系癌,乳癌,肺炎,良性乳腺腫瘍,心筋梗塞,各種癌の腹膜播種 [対策]卵巣癌を疑う場合にはCA125,乳癌を疑う場合にはCA15-3,消化器癌の場合はCA50,CA19-9,SLX,DU-PAN-2などの腫瘍マーカーの測定を併用する.また,各種画像診断,細胞診,組織診を施行する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
乳癌の肝転移細胞膜成分分画を免疫原とするモノクローナル抗体B72.3を作製し,これと反応する抗原TAG72の精製抗原を免疫原としてモノクローナル抗体CC49を作製し,これら両抗体により測定される腫瘍マーカーがCA72-4である.対応抗原は血清型糖鎖抗原ファミリーに属し,エピトープはそれぞれシアリルTn抗原(STN)とT抗原にシアル酸がついたものとされている.Tn抗原のシアル化が癌化に伴って増えるため,測定値が上昇する.胃癌,大腸癌,卵巣癌,膵癌などで検出率が高く,これらの治療効果,再発のモニターとして有用である.早期癌では陽性率が低く,スクリーニングには適さないが,良性疾患による偽陽性率は低い利点がある.また上述の理由からエピトープがほぼ同一のシアリルTn抗原を同時に測定する意義はない.
判読
①プロゾーン現象を疑うときは再測定を行う.②溶血検体は使用しない.③良性腫瘍であっても比較的高い発生頻度を示すムチン産生腫瘍やCrohn病などを考慮する必要がある.
採取保存
①室温で3日,4℃で2週間安定である.②長期保存には-20℃あるいは-70℃が望ましい.③ヘパリンを含む血漿では低値となる.④明らかに
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