基準値 4ng/mL未満
測定法 EIA,RIA
検体量 血清1mL
日数 3~5日
目的 臓器特異性が高い前立腺疾患の指標
Decision Level
●4ng/mL以上(増加)
[高頻度]前立腺癌 [可能性]前立腺肥大症,急性前立腺炎,急性尿閉 [対策]異常値をみた場合,前立腺癌を想定する.前立腺触診,尿道造影,エコー,CTなどの画像診断,細胞診,組織診,PAPなど他の前立腺腫瘍マーカーの併用などにより確定診断を行う.また急性前立腺炎でも陽性を示すため,経過観察も必要である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
γ-Smは分子量23,000~33,000の糖蛋白で,前立腺組織から分離・精製されたセリンプロテアーゼである.γ-SmとPSAは当初別個の物質とされていたが,アミノ酸配列およびプロテアーゼとしての機能が明確となり,現在は遊離型PSAと同一物質であることが明らかになった.
PSAは血清中ではプロテアーゼインヒビターなどと複合体を形成しており,複合型PSAと一部の非結合の遊離型PSAを合わせて総PSAとして測定している.γ-Smと総PSAの比により,複合型PSAが増加する前立腺癌と遊離型PSAが上昇する前立腺肥大症の鑑別に役立つ.
[関連する検査]
PSAを測定し,γ-Smとの比(γ-Sm/PSA比)を測定することにより,前立腺癌(γ-Sm/PSA:低値)と前立腺肥大症(γ-Sm/PSA:高値)の鑑別に有用である.
判読
①健康男性では低値を示し,年齢による変動はみられない.②女性では検出されない.
採取保存
前立腺への物理的な刺激により容易に上昇するため,前立腺の触診,生検,内視鏡検査前に採血.また,前立腺触診や内視鏡検査後は24時間以上の間隔をおいて採血,採血後直ちに血清分離し-20℃で凍結保存.
薬剤影響
低下5α還元酵素阻害薬(アボルブ®,プロペシア®),黄体ホルモン剤(プロスタッ
関連リンク
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