診療支援
検査

尿蛋白  
★★★
urinary protein
木村 健二郎
(JCHO東京高輪病院名誉院長)

基準値

・定性:陰性

・定量:0.15g/日(またはg/gCr)未満


測定法

・定性:試験紙法(pH指示薬の蛋白誤差法)

・定量:ピロガロールレッド錯体発色法(東大)


検体量

・定性:尿10mL

・定量:尿1mL


日数 当日


目的 腎疾患の評価


NOTE‍ 保険点数:26点(定性),7点(定量)


Decision Level

●定性:1+~2+(30~100mg/dL)(軽度増加)

●定量:0.15~0.49g/日(またはg/gCr)(軽度増加,軽度蛋白尿)

[高頻度]慢性糸球体腎炎,糖尿病性腎症,高血圧性腎硬化症 [可能性]良性蛋白尿(起立性蛋白尿,熱性蛋白尿など.1g/日以下であることが多い),重金属や薬剤性尿細管障害,間質性腎炎,Fanconi症候群 [対策]腎障害をきたしうる全身疾患(高血圧,糖尿病など)や薬剤の使用歴の検索,尿中N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG),α1-ミクログロブリン測定,腎生検

●定性:2+~3+(100~300mg/dL)(増加)

●定量:0.5g/日(またはg/gCr)以上(増加,高度蛋白尿)

[高頻度]慢性糸球体腎炎,糖尿病性腎症,巣状糸球体硬化症 [可能性]腎アミロイドーシス,糸球体微小病変(微小変化群) [対策]血尿の有無,腎機能検査,全身疾患の検索,最終的には腎生検による診断に基づき治療方針を立てる

●定性:3+~4+(300~1,000mg/dL)(高度増加)

●定量:3.5g/日(またはg/gCr)以上(ネフローゼレベル)

[高頻度]微小変化群,糖尿病,慢性糸球体腎炎(膜性腎症,膜性増殖性腎炎など),巣状糸球体硬化症 [可能性]腎アミロイドーシス,ループス腎炎,紫斑病性腎炎 [対策]禁忌がなければできるだけ腎生検を施行し,診断を確定し治療方針を立てる


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 糸球体基底膜でのsize barrier(コラーゲン線維の網目の小孔

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