基準値 陰性(感度0.015~0.062mg/dLヘモグロビン)
測定法 試験紙法
検体量 尿10mL
日数 当日
目的 腎および尿路疾患のスクリーニング
Decision Level
●陽性(1+~3+)
[高頻度]糸球体腎炎,間質性腎炎,尿路感染,尿路結石,尿路腫瘍 [可能性]出血性素因,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿,性器出血の混入 [対策]赤血球が尿中にあるか沈渣の鏡検で確認,尿路造影・超音波により結石,腫瘍の有無の確認,糸球体疾患が疑われたら腎生検
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
腎あるいは尿路からの出血により尿中へ赤血球が排泄されたときに陽性反応を示す.正常でも赤血球は3個/μL(強拡大で毎視野1個程度)は生理的にみられる.試験紙法では赤血球5個/μL(強拡大で毎視野2~3個程度)で陽性を示す.
腎糸球体~尿細管~腎盂以降の尿路いずれの部位からの出血でも尿潜血陽性となる.溶血によるヘモグロビン尿や筋融解によるミオグロビン尿でも尿潜血反応は陽性となる.沈渣で赤血球を見出せば血尿と確定診断できる.ヘモグロビン尿では血清がピンク~赤色であり,溶血があったことが示されるが,ミオグロビン尿では血清は着色していない.ヘモグロビンは血清中のハプトグロビンと結合して血清中にとどまるが,ミオグロビンは結合蛋白がないため,速やかに尿中に排泄されるからである.ヘモグロビン尿とミオグロビン尿の鑑別には免疫電気泳動が有用.
判読
①尿蛋白の有無と尿沈渣を併せて総合的に判読する.②糸球体出血では沈渣に赤血球を認め,しばしば尿蛋白陽性.高頻度に赤血球に変形を認める.赤血球円柱は糸球体出血の証拠となる.尿路出血では変形赤血球はみられない.③尿路出血の場合は沈渣に赤血球を認め,尿蛋白は認めない.ただし,3~6mL/L以上の出血では漏出した血清蛋白のため尿蛋白が陽性となるので注意.感染では沈渣に白血球を認め,しば