基準値 102pg/mL以下
測定法 ELISA
検体量
・SRL,FALCO:髄液0.3mL
・BML:髄液0.5mL
日数
・SRL,FALCO:3~9日
・BML:3~6日
目的 多発性硬化症の活動性の指標
Decision Level
●基準値以上に上昇
[高頻度]多発性硬化症,神経Behçet病,脊髄炎 [可能性]脳炎,髄膜炎,筋萎縮性側索硬化症(ALS),脳血管障害など [対策]多発性硬化症の急性増悪期に異常高値がみられる場合が多いので,検体採取のタイミングが重要である.血清中に干渉物質が存在するため血液が混入した髄液では偽陽性となる可能性があるため注意が必要である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ミエリン塩基性蛋白(MBP)は,中枢神経のミエリンを構成する主要な蛋白である.脱髄疾患である多発性硬化症をはじめ,髄鞘を含むさまざまな脳実質障害が認められる疾患で髄液中に増加がみられる.MBPは非活動型の脱髄性疾患や非脱髄性神経症では通常みられない.多発性硬化症では急性増悪期2~3日以内に上昇を示し,1~2週間で基準値に戻るとされている.
[関連する検査]
中枢神経脱髄疾患だけではなく,種々の脳実質障害をきたす疾患でも高値になることがあるため,多発性硬化症の診断を目的に行う場合は,IgGインデックスや髄液オリゴクローナルバンドを併せて測定することが望ましい.ただし,IgGインデックスや髄液オリゴクローナルバンドの検査結果と相関しないことも多い.
判読
増悪期に検査すべきである.また血清中では干渉物質が存在するため,血液が混入した髄液では偽陽性となる可能性がある.
採取保存
凍結保存.
測定前後の患者指導
通常の髄液検査と同じ.
保険注意
多発性硬化症の診断の目的で行った場合に算定する.
推奨する総説
太田光煕:ミエリン塩基性蛋白(MBP)と抗MBP抗体.日本臨牀 63:596-598,2005
(宮本
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