基準値
・LSIメディエンス,BML:バンド数0~1本(バンド:血清中にはなく,髄液中にのみ検出されるバンド)
・SRL:検出せず
測定法 等電点電気泳動
検体量
・LSIメディエンス,BML:血清と髄液 各々0.4mLのペア検体
・SRL:血清と髄液各々1.0mLのペア検体
日数
・LSIメディエンス:5~8日
・BML:7~10日
・SRL:10~14日
目的 多発性硬化症の診断指標
Decision Level
●陽性(バンド数2本以上)
[高頻度]多発性硬化症 [可能性]亜急性硬化性全脳炎,神経梅毒,脳炎,髄膜炎,脊髄炎,多発性神経炎など [対策]より適確な多発性硬化症の診断のために,中枢神経系におけるIgG産生異常の質的指標である髄液オリゴクローナルバンドに加えて,量的指標であるIgGインデックスを併せて測定する.従来のアガロースゲル法では陽性率が低いので注意が必要である.公費支援申請のための認定基準では等電点電気泳動法が指定されている.血清とペアで測定することが重要である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
多発性硬化症の髄液中では免疫グロブリンであるIgGの産生が亢進している.髄液を電気泳動して免疫グロブリンを特異的に染色するとγ-グロブリン領域に細く濃染した数本のバンドが出現する.髄液中の免疫グロブリンに質的異常が存在することを示し,中枢神経内で免疫グロブリンが産生されたことの証拠となる.正常髄液中ではこのような現象は認められない.脳を中心に散在性に病変のみられる古典型(C-MS)の患者では70%以上で陽性になるが,多発性硬化症に類似した疾患である視神経脊髄炎(NMO)での陽性率は約10%と低い.
[関連する検査]
中枢神経脱髄疾患だけではなく,髄膜炎や脳炎などの感染症,Guillain-Barré症候群などでも認められることがあるため,IgGインデックスや髄液ミエリン塩基性蛋白などの検査
関連リンク
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