診療支援
検査

UDPグルクロン酸転移酵素〔UGT〕遺伝子診断   2,004点
genotyping of UDP-glucuronosyltransferase
安藤 雄一
(名古屋大学医学部附属病院教授・化学療法部)

基準値‍ UGT1A16およびUGT1A128のいずれももたない(野生型である)

NOTE 上記基準値の場合,イリノテカン塩酸塩による重篤な副作用を発現する可能性はホモ接合体,複合ヘテロ接合体,ヘテロ接合体に比べて低いが,可能性そのものは否定できないため,他の臨床症状や検査結果もふまえ,癌薬物療法として通常求められる副作用モニタリングや臨床観察は必要である


測定法 インベーダー法,QP(Quenching Probe)法


検体量

・インベーダー法:EDTA加全血から抽出したDNA(濃度:20~70ng/μL)を10μL

・QP法:EDTAもしくはヘパリン加全血(白血球3,000~10,000個/μL)を70μL


日数

・インベーダー法:6.5時間(外注2~7日程度)

・QP法:1.5時間(外注3~7日程度)


目的 イリノテカン塩酸塩による重篤な副作用を発現する可能性の高い患者の事前予測の補助


Decision Level

●いずれかをホモ接合体(UGT1A16/6UGT1A128/28)としてもつ,またはいずれもヘテロ接合体(複合ヘテロ接合体UGT1A16/28)としてもつ

[高頻度]イリノテカン塩酸塩による重篤な副作用を発現する可能性が高いと予測される [対策]イリノテカン塩酸塩の投与に際しては,他の臨床症状や検査結果もふまえ,治療方針の決定や副作用のモニタリングにおいて十分な注意が必要.米国の添付文書では,UGT1A128のホモ接合体(UGT1A128/28)に対して初回投与量の減量が推奨されている

UGT1A16またはUGT1A128のどちらかのみをヘテロ接合体としてもつ

[可能性]イリノテカン塩酸塩による重篤な副作用を発現する可能性は否定できないが,ホモ接合体または複合ヘテロ接合体に比べて低い [対策]初回治療からの減量や他剤への変更を考慮するだけのエビデンスはな

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