病態
予想される時期より早期に出現する上室性(心房と房室接合部由来)あるいは心室性(心室由来)の収縮
[参考]
①2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン.p45-46,②2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン.p26-28
異常値
・心電図 ①上室期外収縮(atrial premature contraction;APC)は心周期の早期のタイミングで正常P波形と異なるP'波(心房性)が出現し,それに伴うQRSは通常“正常(QRS幅<0.12秒)”型を示すがQRSの変形を伴うこともある(心室内変行伝導:aberrant intraventricular conduction).この異所性興奮は洞結節へも逆行性に進入し洞結節のリセットを促すのでP'波を挟むP-P間隔は洞周期の2倍にならずそれより短いことが多い(非代償性休止期).②心室期外収縮(ventricular premature contraction;VPC)では先行するP'波は欠如し,QRS波が変形,延長し(>0.12秒),洞調律時QRSとは明らかに異なるQRS波形を呈し,T波は逆向きとなる.洞周期は通常これによっては乱されず,VPCを挟むR-R間隔は洞周期のR-R間隔の2倍になることが多い(代償性休止期)
経過観察のための検査項目とその測定頻度
●心電図 急性心筋梗塞をはじめとする心筋疾患や心不全例では連発や心室頻拍の出現を評価する目的で,長時間モニターが必要である.また虚血性心疾患や心筋症に合併する場合には定期的な24時間ホルター心電図記録による評価が望ましい
診断・経過観察上のポイント
①2種類以上の形態の異なる期外収縮があればそれらの発生部位は複数(多源性)と考えられる.期外収縮が2個連続した場合を連発性という.②3連発以上のVPCを一般に非持続性心室頻拍という.③VPCの重症度はLown分類