診療支援
検査

先端巨大症
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

病態

 骨端線閉鎖後の下垂体腺腫による成長ホルモン(GH)過剰分泌.まれにGHRHの異所性分泌による


[参考]

 間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き(平成30年度改訂),2019


異常値

・75g経口糖負荷 血中GH底値が基準値(0.4ng/mL未満)(リコンビナントGHを標準品とするGH測定法)まで抑制されない.ただし,糖尿病,肝疾患,腎疾患,甲状腺機能亢進症,褐色細胞腫,低栄養状態,思春期・青年期でも抑制されないことがあるので注意する.一方,本症であっても軽症の場合0.4ng/mL未満に抑制されることがあるので,臨床所見やIGF-Ⅰ値,MRIなどの画像所見も参考にする

・IGF-Ⅰ(ソマトメジンC) 高値.基準値は年齢・性別により異なる〔「IGF-Ⅰ」の項参照〕.栄養障害,肝疾患,腎疾患,甲状腺機能低下症,コントロール不良の糖尿病が合併すると高値にならないことがある

・下垂体MRI 下垂体腺腫の所見(腺腫が明瞭でない場合やまれに膵などのGHRH産生腫瘍の場合がある)

・TRH負荷試験ないしLHRH負荷試験 血中GHが奇異性に増加することがある〔「TRH負荷試験」の項,「LHRH負荷試験」の項参照〕

・ブロモクリプチン負荷試験 血中GHが増加せず,変化しなかったり,逆に低下することがある〔「ブロモクリプチン負荷試験」の項参照〕


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●血中IGF-Ⅰ(ソマトメジンC)‍ [慢性期]活動性判定および治療効果判定のため1~3カ月ごと

●75g経口糖負荷‍ [慢性期]血中GH底値は治療効果の判定に,血糖,血中IRI値は先端巨大症に伴う,糖代謝異常の合併症判定目的で6カ月~1年ごと

●下垂体MRI‍ [慢性期]活動性,治療効果判定目的で6カ月~1年ごと

●心エコー‍ [慢性期]心合併症判定のため1年ごと


診断・経過観察上のポイント

①特徴的な症候として手足の容積の増

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