病態
前立腺腺房(まれに腺管)より発生する腺癌
[参考]
前立腺癌診療ガイドライン2016年版
異常値
・前立腺特異抗原(PSA) 4.0ng/mL以上(RIA:Tandem-R®)
・前立腺特異抗原-α1-アンチキモトリプシン(PSA-ACT) 3.4ng/mL以上(CLIA法)
・遊離型PSA/総PSA(free/total PSA ratio) 15~19%以下
・PSAD(PSA density) 0.1以上(PSAを前立腺の体積で割った値)
・直腸診 表面不整,境界不明瞭,石様に硬い結節を触れる
・US(経直腸的,経腹的) 辺縁不整,低エコー域(hypoechoic area)を呈する
・MRI T2強調画像,拡散強調画像,MR spectroscopyなどを加え評価するマルチパラメトリックMRIが用いられる
・ALP 骨転移により高値
・骨シンチグラフィー 骨転移の有無を検索する
経過観察のための検査項目とその測定頻度
●前立腺針生検 前立腺癌の確定診断に必要
●PSA値による診断基準 [スクリーニング]年齢に応じたカットオフ値以上であれば針生検を行う [治療開始後]病期に応じ1~6カ月ごとにPSA値の測定を必要とする
診断・経過観察上のポイント
①経直腸的または経会陰的前立腺針生検による病理組織診断が確定診断となる.②局所に限局している場合は根治的前立腺全摘除術あるいは放射線治療を行う.近年はロボット支援下腹腔鏡下前立腺摘除術が保険収載され,全国に普及し,現在約1万件がダ・ヴィンチを用いた手術となっている.③リンパ節,骨などに遠隔転移のある症例には,原則的には手術適応はなく,ホルモン療法が行われる.また,局所前立腺癌であっても高齢者や合併症がある場合はホルモン療法が選択される.また前立腺癌のなかには低悪性度のものもあり,癌と診断されても,無治療で厳重にPSAを経過観察するのみの方針も選択さ
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