診療支援
検査

ブドウ球菌感染症(MSSA,MRSA,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)
古川 恵一
(国保旭中央病院・感染症センター長)

病態

・ブドウ球菌は①コアグラーゼ陽性ブドウ球菌,すなわち黄色ブドウ球菌と,②コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に分類される.

 ①黄色ブドウ球菌感染

・黄色ブドウ球菌は人体に侵襲性が強く,化膿性変化を起こす.

・抗菌薬感受性により,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に分類され,MRSAはmecA遺伝子をもつ.MRSAは院内感染が多いが,近年市中感染型MRSAも増加傾向にある.

・皮膚軟部組織感染,手術後創部感染,関節炎,骨髄炎,血管内カテーテル感染,人工関節感染,肺炎,感染性心内膜炎,髄膜炎,敗血症などを起こす.

・菌血症例の死亡率は20~40%である.

・各種の菌体外毒素により,toxic shock syndrome(TSST-1,Enterotoxin A,B,C,Dなどによる)や staphylococcal scalded skin syndrom

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