診療支援
検査

卵巣腫瘍(良性,悪性) 卵巣嚢腫,卵巣癌
岩佐 武
(徳島大学大学院教授・産科婦人科学分野)

病態

 卵巣の良性,境界悪性および悪性腫瘍


[参考]

 卵巣がん治療ガイドライン2020年版


異常値

 「検査計画の進め方 産婦人科疾患」の「Ⅲ.卵巣腫瘍」参照

・AFP 10ng/mL以上(yolk sac腫瘍で上昇)

・CA125 40.0U/mL以上(漿液性嚢胞腺癌,類内膜癌で上昇),閉経後17U/mL以上

・CA72-4 4U/mL以上(ムチン性嚢胞腺癌,転移性卵巣癌で上昇)

・BFP 75ng/mL以上(漿液性嚢胞腺癌で上昇)

・CEA 5ng/mL以上(転移性卵巣癌で上昇)

・TPA 110U/L以上(明細胞癌で上昇)

・HE4 閉経前70pmol/L以上,閉経後140pmol/L以上(上皮性卵巣癌で上昇)

・超音波,CT,MRI 巨大なもの,表面不整,多房性,充実性,嚢胞内への腫瘤の突出,腹水貯留を伴うものは悪性の疑いあり


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●AFP‍ [急性期]組織型の鑑別診断のために1回 [回復期]治療効果判定と再発の発見のために2~3カ月ごと

●CA125‍ [急性期]組織型の鑑別診断のために1回 [回復期]治療効果判定と再発の発見のために2~3カ月ごと

●CA72-4‍ [急性期]組織型の鑑別診断のために1回 [回復期]治療効果判定と再発の発見のために2~3カ月ごと

●BFP‍ [急性期]組織型の鑑別診断のために1回 [回復期]治療効果判定と再発の発見のために2~3カ月ごと

●CEA‍ [急性期]組織型の鑑別診断のために1回 [回復期]治療効果判定と再発の発見のために2~3カ月ごと

●TPA‍ [急性期]組織型の鑑別診断のために1回 [回復期]治療効果判定と再発の発見のために2~3カ月ごと

●HE4‍ [急性期]組織型の鑑別診断のために1回 [回復期]治療効果判定と再発の発見のために2~3カ月ごと

●超音波‍ [急性期]良・悪性の推定のために1回 [回復期]治療効果と再発

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