A.疾患・病態の概要
1蕁麻疹の定義1)
●膨疹,すなわち紅斑を伴う一過性,限局性の皮膚の浮腫が病的に出没する疾患である.
●多くはそう痒を伴う.
●通常の蕁麻疹に合併して,あるいは単独に,皮膚ないし粘膜の深部に限局性浮腫を生じるものがあり,それらは特に血管性浮腫と呼ぶ.
●通常,個々の皮疹は24時間以内に消退し,色素沈着,落屑などを伴わない.
2病態
●何らかの機序によって,皮膚マスト細胞(肥満細胞:皮膚・漿膜・血管周囲・粘膜周辺に広く分布する)が脱顆粒して,ヒスタミンなどの化学伝達物質が細胞内に放出されることによる.特に,皮膚組織内にその化学伝達物質が放出され,皮膚微小血管の拡張と血漿成分の漏出が生じ,紅斑や局所的な浮腫(膨疹)が形成され,知覚神経が刺激されて痒みを生じる.
●マスト細胞が活性化する機序としてⅠ型アレルギーが有名であるが,その頻度は数%以下とされる.自己抗体による抗原非依存的な活性機序
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