A.疾患・病態の概要
●破傷風は,破傷風菌(Clostridium tetani)によって起こる感染症で,主な病態は破傷風菌によって産生される菌体外毒素(神経毒:テタノスパスミンtetanospasmin)により起こる神経症状で,いまだに死亡率の高い疾患として重要である.
●破傷風菌は偏性嫌気性のグラム陽性桿菌で好気的な環境では生育できないが,熱や乾燥には抵抗性が高く芽胞を形成する.破傷風菌の芽胞は世界中の土壌中に広く分布常在しており,誰でもどこででも感染の可能性がある.わが国でも1950年には年間2,000例近い報告患者があり,80%以上という高い死亡率であった.しかし,破傷風トキソイドワクチンによる基礎免疫(発症阻止抗体価0.1IU/mL以上)の取得により発症は阻止できることが疫学的に示されており,感染症法改定により全数把握の対象である五類感染症に指定されて以降でも年間報告例は100例前後
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ミダゾラム《ドルミカム》
- 治療薬マニュアル2024/プロポフォール《1%ディプリバン》
- 治療薬マニュアル2024/チアミラールナトリウム《イソゾール チトゾール》
- 治療薬マニュアル2024/ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン《テタノブリンIH》
- 治療薬マニュアル2024/沈降破傷風トキソイド《沈降破傷風トキソイド 破トキ》
- 治療薬マニュアル2024/ベンジルペニシリンカリウム《ペニシリンGカリウム》
- 治療薬マニュアル2024/ドキシサイクリン塩酸塩水和物《ビブラマイシン》
- 治療薬マニュアル2024/エリスロマイシンステアリン酸塩《エリスロシン》
- 今日の治療指針2024年版/破傷風 [■5類感染症-全数把握]
- 臨床検査データブック 2023-2024/破傷風(テタヌス)
- 新臨床内科学 第10版/1 髄膜炎菌感染症
- 新臨床内科学 第10版/1 破傷風
- 新臨床内科学 第10版/6 ボツリヌス症
- 今日の整形外科治療指針 第8版/壊死性筋膜炎
- 今日の診断指針 第8版/破傷風
- 今日の小児治療指針 第17版/接種後の健康被害・副反応とその対応