診療支援
治療

循環器疾患
cardiac diseases
高橋 弘
(製鉄記念室蘭病院・循環器科科長・透析科長)

A.疾患・病態の概要

●慢性心不全とは,慢性的な心筋障害(表1)により心臓のポンプ機能が低下し主要臓器に十分な血液を供給できない状態で,その多くが肺うっ血や体静脈系のうっ血をきたし,労作性呼吸困難や浮腫などにより生活の質を低下させる.また致死的不整脈も高頻度にみられ,すべての心疾患の終末的病態であり生命予後が極めて不良である.

●慢性心不全の加療中においても過度の塩分摂取などの増悪因子(表1)により心不全の代償機転が短時間に破綻し急速に病態が悪化した場合は,迅速かつ適切な治療を施すことができるかが生命予後を左右する.


B.最初の処置

 いち早く低酸素血症を改善することが最優先で,観察,評価,治療を同時進行に行い少しでも早く呼吸困難を軽減することが大切である.

1バイタルサインのチェックと簡単な病歴聴取

①primary ABCDを確認,診察をしながら,可能であれば簡単な病歴聴取を行う.同時にモニタ

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