A.疾患・病態の概要
●腎疾患の急性増悪の概念に含まれるのは,以下の病態が考えられる.いずれも,以前の病歴がわからないと,新規発生なのか,急性増悪なのかを鑑別するのは,初診では難しいことも多い.ただし,急性増悪の場合は,早期にその原因を解決すれば,元の状態まで回復することもあるので,鑑別は重要である.
①腎臓そのものの病変(糸球体病変,間質病変),もしくはその原因疾患が増悪した場合.
②もともと腎障害のある患者(慢性腎臓病,chronic kidney disease:CKD)の腎機能が急に低下するような病態の場合:当初は,新たに発生した急性腎傷害(acute kidney injury:AKI,広義の急性腎不全)として対応せざるを得ないことが多い.したがって,AKIの原因となりうるすべての原因は,診断の経過を通じて除外診断する(「急性腎不全」,→).
③急性増悪したと考えられる場合:原因が何かを