A.小児ならではのポイント
1化膿性髄膜炎
●一般的な臨床経過としては,感冒様症状に続き,発熱,嘔吐,易刺激性から痙攣,意識障害へと進行する.どの段階で救急外来を受診されるかわからないため,病初期に化膿性髄膜炎を診察のみで診断することは困難である.
●化膿性髄膜炎の好発年齢である乳幼児では,項部硬直などの髄膜刺激症状がはっきりしないことも多く,また成人と異なり具合の悪さを自らの言葉で訴えることができないので,哺乳力の低下や不機嫌,泣き声が弱い,活動性低下などの全身状態から推測する必要がある.
●何となく様子がおかしい「not doing well」という表現は,化膿性髄膜炎を疑わせる所見である.このような表現は,常に患児を見ている保護者から発せられることも多く,「いつもと様子が違う」という保護者の言葉に真摯に耳を傾ける姿勢が必要である.
●キーキーとした甲高い泣き声は「脳性啼泣」と呼ばれ,化膿性髄膜
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