Ⅰ.帯状疱疹,カポジ水痘様発疹症(単純疱疹)
A.診療のポイント
●帯状疱疹(図1図):皮膚の末梢神経支配領域に一致して浮腫性紅斑・水疱がみられ,特に高齢者では著明な疼痛(神経痛)を伴うことが多い.一般に皮疹の出現は疼痛の出現より1~2日遅れることが多い.通常皮疹は片側性に認められる.
●カポジ水痘様発疹症:単純疱疹の重症型であるが,基礎疾患にアトピー性皮膚炎を持つことが多い.あるいは,単純疱疹に対してステロイド外用薬を用いるなど不適切な治療によってみられることもある.皮疹の分布は末梢神経の支配領域とは一致しない.
B.最初の処置
1病歴聴取
①帯状疱疹の発症の契機は免疫力の低下である.すなわち,睡眠不足・自己免疫疾患・悪性腫瘍などの有無について問診する.青壮年者では過労がきっかけで発症するケースが多い.
②カポジ水痘様発疹症では再発性単純疱疹の既往がないかを確認する.使用していた外用剤(特にステロイド
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