A.JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)とは
●主に医師を対象として1980年よりACSCOT(American College of Surgeons on Trauma)が展開する系統的外傷処置であるATLS®を参考に,わが国で2002年より医師を対象に開催している外傷初期診療ガイドライン.
●primary survey,蘇生(resuscitation),secondary surveyよりなる.
●重症外傷患者に対する初療,特に最初の1時間(golden hour)の診断・治療に重点が置かれ,超音波診断,胸部・骨盤・頸椎X線読影,頭部CT読影,意識判定,ショックの診断などのほかに,輪状甲状間膜穿刺・切開,胸腔穿刺・ドレナージ,心嚢穿刺などの侵襲的処置を含む.
B.初期診療(重症度判断)
診療手順として,①primary surveyと蘇生,②secondary survey(損傷の精査),③tertiary survey(見落とし損傷がないか)があり,各ステージごとに根本治療を考える.
1primary surveyと蘇生
1概念 ①生理学的徴候が重要,②ABCDEsアプローチで進む,③primary surveyは繰り返して行い,変化があれば必要な処置を行う,④primary surveyと蘇生は同時進行する.ABCDEsアプローチとは,airway,breathing,circulation,dysfunction of central nervous system(意識・中枢神経系の異常の把握),exposure & environmental control(脱衣と体温管理)である.
2気道確保(airway) 発語があり,気道が開放されていれば100%酸素を10~15L/分で投与する.
➊気道確保の第1選択は用