診療支援
治療

局所麻酔法
clinical procedures of local anesthesia
水島靖明
(大阪府立泉州救命救急センター・副所長)

A.適応,合併症,ピットフォール

 局所麻酔とは,体内に分布する末梢神経系に局所麻酔薬を作用させる麻酔法であり,様々な状況で使用される.広義には表面麻酔,浸潤麻酔,伝達麻酔(神経ブロック),硬膜外麻酔,脊髄麻酔,静脈内麻酔など多種を含むが,狭義には表面麻酔と浸潤麻酔を局所麻酔法としている.局所麻酔法は作用部位が局所的,選択的麻酔法であり,患者の意識が保たれ,侵襲が少ないという利点があるが,その欠点や合併症などを知っておくことも必要である(表1).ここでは,表面麻酔と浸潤麻酔,および伝達麻酔法である指ブロック(オベルスト法)について述べる.

1適応

1表面麻酔 局所麻酔薬を滴下,噴霧して麻酔をする方法であり,気管挿管,胃管挿入,尿道バルーン挿入,気管支鏡検査,胃内視鏡検査,角膜・結膜検査,直腸診,擦過傷や熱傷などの創傷処置などの場合に用いる.

2浸潤麻酔 体表面の創傷処置時や小手術,中心静脈路など

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