Ⅰ.コンパートメント症候群とは
①コンパートメント症候群とは,骨・筋膜・骨間膜により区画されるコンパートメント(筋区画)の内圧が上昇し,筋や神経の循環障害をきたす病態である.
②外傷や虚血の他,熱傷やギプスによる外固定,激しい運動でも生じることがある.筋区画が存在すれば身体のどの部位にでも発生しうるが,前腕と下腿が好発部位である.
③症状として,発生部位の腫脹・激しい疼痛・運動障害・知覚障害が出現する.区画内の筋の他動的な伸展や,筋把握により強い疼痛を訴える.末梢動脈の拍動は末期まで保たれるため,初期診断には有用でない.
④コンパートメント症候群に陥った場合,4~6時間で筋組織の壊死が始まり,12時間で神経組織の不可逆的変化が生じるといわれている.
Ⅱ.コンパートメント内圧測定
A.適応,合併症,ピットフォール
①コンパートメント内圧測定は,コンパートメント症候群の診断の補助のために行う.
②コンパートメ