診療支援
治療

内視鏡検査
endoscopic examinations
小豆畑丈夫
(日本大学講師・救急医学系救急集中治療医学)
丹正勝久
(日本大学主任教授・救急医学系救急集中治療医学)

 消化管内視鏡はわが国において非常に発展を遂げた検査法であり,上部消化管内視鏡は消化管内視鏡専門医でなくても広く行われている.近年は小腸内視鏡も積極的に行われるようになったが,緊急ではまだ一般的ではないこと,小腸疾患に緊急性を要するものが少ないことより,この項では言及しない.

 救急医療における消化管内視鏡は消化管出血,消化管異物に対して診断と治療を同時にできる利点を有しており,第一選択とされることが多い.しかし,消化管出血によるショック状態でかつ大量輸液を行ってもバイタルサインの改善が得られない場合,内視鏡は行うべきではない.食道静脈瘤破裂による出血でなければ緊急開腹手術を選択すべきである.

 また消化管穿孔に対して内視鏡を行う場合,その後の開腹手術を前提とする必要がある.

 ショック状態で内視鏡を行うことは非常に危険である.内視鏡的診断・治療にこだわりすぎることなく,患者のバイタルサインを常

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