視覚障害とは
定義
視覚とは外界の物体を認知することである.外界の視覚情報は眼球光学系の働きによって網膜に鮮明な像を結び,画像情報が網膜視細胞で神経信号に変換・情報処理される.そして視神経から始まる視覚路を経て後頭葉皮質で認知され,連合野でさらに高次の処理をされる.この経路のどこが障害されても視覚障害が生じる.
これらには網膜(眼底),自律神経(瞳孔,調節),眼球運動,眼瞼運動も関与するが,これらは別項で詳細に述べられるので,本項では視神経〜大脳皮質までの経路での障害について中心に述べる.
患者の訴え方
視覚に関する自覚症状は,わずかな異変でも患者は気がつき,主訴とすることが多い.
この場合,まず視覚障害が片眼のみで生じているのか,両眼に生じているのかを尋ねることが重要である.両眼で障害がある場合は,視索より後方経路の病変が疑われる.
また連合野での障害は,患者本人が視覚障害に気づかない.特に