眼底異常とは
定義
眼底異常とは,眼底鏡で見える範囲の眼底を構成する要素の異常所見の総称であり,網膜,網膜動静脈,乳頭の異常に分けられる.全身疾患に伴う所見である場合と,眼球自身の病変である場合があり,ここでは前者を中心に解説する.
患者の訴え方
患者は,「ものが見えにくい」と訴えるが,それが視力低下であるのか,視野欠損による症状であるのか,病歴や身体所見から判断できるものなのかの区別を要する.多くの場合,症状は一側性であるが,疾患によって両側性の場合があり,中枢性病変では両耳側半盲や同名性半盲になる.また,疾患によっては視力低下を訴えないものもある.
視力低下は,①角膜疾患,②ぶどう膜疾患,③硝子体疾患,④網膜脈絡膜疾患,⑤視神経疾患,⑥中枢性病変で起こり,①〜⑤については,眼科的な診察,検査,処置が必要である.
患者が眼底異常を訴える頻度
原因によりその頻度は異なるが,視力低下,視野欠損のみ