診療支援
診断

舌の異常
tongue abnormality
浅香 正博
(北海道医療大学 学長)

舌の異常とは

定義

 舌の異常とは舌にみられる炎症,びらん・潰瘍,血管性変化,色素沈着,乾燥,肥大,舌苔,運動障害,味覚障害などを指す.

患者の訴え方

 「舌がピリピリする」「舌が焼けるように痛い」「味がしない」「味が変わった」など,訴え方は多彩である.舌の疼痛,灼熱感,不快感,味覚異常が多い.疼痛は嚥下困難を伴うこともある.また,舌は自身で視認することができる部位にあるので,患者の心配の種となり,舌癌恐怖症となる場合もある.

患者が舌の異常を訴える頻度

 舌の異常を主訴にして内科を受診する患者は少ない.しかし,医療面接を行うときに舌の異常の有無を聴取すれば,統計的な確証はないが,かなりの頻度になると思われる.

症候から原因疾患へ

病態の考え方

(図1)

 正常の舌粘膜は重層扁平上皮で覆われ,上皮突起と舌乳頭の発達が特徴的である.舌乳頭は,舌背の前2/3には多数の糸状乳頭が,舌縁と舌の先端には赤い点状の茸状

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