診療支援
診断

嗄声
hoarseness
立石 一成
(信州大学医学部内科学第一教室 講師)
花岡 正幸
(信州大学医学部附属病院 病院長/信州大学医学部内科学第一教室 教授)

嗄声とは

定義

 嗄声(かれ声)は音声障害のうちの1つで,声質の変化を表す際に使用される.音声の質のなかで,特に音色の異常のために,聴く人の意識に「嗄れている」「しわがれている」という聴覚印象を起こす性質を有する声を指す.声帯やその周囲の異常によって発声時の声の質が異常になることをいい,失声(無声,ささやき声),気息声(息漏れのある声),粗糙声(だみ声),無力声(力のない声),努力声(力み声)なども含めて嗄声ということが多い.

患者の訴え方

 患者は,「声がかすれる」「声が出ない」「声がふるえる」「ガラガラ声になった」「高い声が出る」などと訴える.ときに人から声の変化を指摘されたことが受診のきっかけとなることがある.反回神経麻痺の患者は「話をしていると疲れやすい」と言うことがある.

患者が嗄声を訴える頻度

 内科外来における嗄声の頻度を示した報告はない.音声障害の頻度としては米国で人口の1/3が過去に

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?