チアノーゼとは
定義
血中の還元ヘモグロビン(Hb)もしくは異常Hbの増加によって,皮膚や粘膜が暗紫色になった状態をチアノーゼという.口唇粘膜,爪床,外耳,頰部などで目立ちやすい〔診察の進め方「部位別の身体診察 全身状態」図7図参照〕.
患者の訴え方
皮膚や粘膜の色調が不良であることを訴えるが,それよりもチアノーゼを生じる原因となった呼吸器疾患や心疾患による呼吸困難,四肢冷感などの自覚症状のほうを強く訴える.
患者がチアノーゼを訴える頻度
チアノーゼを主訴として来院してくる患者の頻度は低いが,緊急処置を要する疾患のこともあり,ただちに原因疾患を診断しなければならない.心不全,ショック,呼吸不全などのときには,ただちに気道確保,人工呼吸,心臓マッサージなどの蘇生術を必要とすることがある.
症候から原因疾患へ
病態の考え方
(図1)図
チアノーゼは,還元Hbが毛細血管レベルで5g/dL以上(Hbが15g/