甲状腺機能亢進症とは
定義
甲状腺機能亢進症は,甲状腺からのホルモン産生および分泌が持続的に亢進し甲状腺中毒症状をきたす病態である.血中甲状腺ホルモンが増加する甲状腺中毒症(thyrotoxicosis)の一部である.
患者の訴え方
「疲れがひどい」「少し動いただけで動悸がする」「階段で息切れする」「手がふるえる」「汗をよくかくようになった」「お腹が減って食べているのにやせてきた」などの愁訴が多い.
一部の患者では,家人などに「のどが腫れている」「目が出てきた」「顔つきが変わった」などの指摘を受けて受診することもある.
甲状腺ホルモンがどの程度過剰になるかで症状の強弱はあるが,不定愁訴的な全身症状と同時に,各臓器症状として訴えることが多い.特に循環器症状を訴えることが多く,循環器疾患と間違われることもある.
全身症状としては,体重減少,多汗,易疲労感,暑がり,微熱,月経不順,無月経などがある.