診療支援
診断

急性腎不全,急性腎障害
acute renal failure(ARF),acute kidney injury(AKI)
丸山 浩史
(東京医科大学茨城医療センター腎臓内科 講師)
平山 浩一
(東京医科大学茨城医療センター腎臓内科 教授)

急性腎不全,急性腎障害とは

定義

 急激な腎機能障害を,かつては急性腎不全(ARF)と呼称していた.ARFは「数時間から数日の経過をもって急速に腎機能低下が起こる病態」「なんらかの原因で急激に腎機能が低下し,腎臓で排泄されるべき老廃物や窒素が体内に蓄積し,体液や電解質バランスを保てなくなった状態」と定義があいまいで,研究の比較,統合において問題となっていた.

 2000年にAcute Dialysis Quality Initiative(ADQI)により,急性腎障害(acute kidney injury; AKI)という概念が提唱され,RIFLE分類という国際基準が策定された.これは,48時間で血清クレアチニン(Cr)値0.3mg/dLという軽度の上昇でも生命予後と相関があることが示されたことを背景に,血清Cr値と推定糸球体濾過量(estimated glomerular filtratio

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?