診療支援
診断

誤飲・誤嚥
accidental ingestion,aspiration
宮道 亮輔
(自治医科大学メディカルシミュレーションセンター・救急医学 准教授)

誤飲・誤嚥とは

定義

 誤飲は食物以外のもの(異物:硬貨や安全ピン,玩具など)を誤って口から摂取することであり,誤嚥は食物や異物が誤って気道に入ってしまうことである.

 誤飲で口から摂取した異物は,咽頭から食道を通って胃や腸へ進む(咽頭異物,食道異物,胃・消化管異物など)こともあれば,喉頭から気管に入る場合(喉頭異物,気管異物,窒息)もある.誤飲と誤嚥は同義に用いられることも多い.

 気道異物は基本的に緊急事態である.窒息で気道が完全に閉塞すると死に至る.完全閉塞でなくても,酸素化不良,化学性肺炎や誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がある.消化管異物では,肛門から排出されるまで待てばよいものもあるが,ボタン電池や先の尖った物など,異物によっては食道や胃,腸の穿孔や閉塞を起こす危険がある.

患者の訴え方

 患者は,無症状であることもあれば,持続性または一過性に「息苦しい」「吐きそう」「異物がある」などと訴える

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