現病歴:午前4時頃に施設の職員が声をかけた際には反応があったが,午前7時前に訪室した際には反応に乏しく,近医に往診を依頼した.診察を経て,意識障害・両側縮瞳の情報で救急搬送となった.高血圧にて加療中.
既往歴:右大腿骨転子部骨折術後,第5腰椎圧迫骨折,腸閉塞.
生活歴:4年前より老人施設入所中.歩行器を用いて施設内の移動は可能であった.
家族歴:特記すべきことはない.
身体所見:意識障害(JCS Ⅲ-100).血圧116/70mmHg,脈拍60回/分,呼吸数18回/分・正常振幅.瞳孔2mm径と両側縮瞳.用手開眼後しばらくの開眼保持あり,眼位はほぼ正中だが,水平性の眼球彷徨あり.drop testでは左が速く,しかし両側とも比較的速やかに落下する.四肢の深部腱反射は両側とも強めで,両側Babinski(バビンスキー)反射陽性.痛み刺激に右手で振り払うような仕草は認める.
【問題点の描出】
反応の低下を認