診療支援
診断

突然の声がれ
63歳 男性
立石 一成
(信州大学医学部内科学第一教室 講師)
花岡 正幸
(信州大学医学部附属病院 病院長/信州大学医学部内科学第一教室 教授)

現病歴:4か月前から咳嗽を自覚していたが放置していた.2週間前に突然の声がれを自覚し,周囲から指摘されるようになった.精査を希望して受診した.

既往歴:特記すべきことはない.常用薬なし.

生活歴:22歳より公務員.粉塵曝露なし,アスベスト吸入なし.喫煙歴20〜63歳,20本/日.飲酒歴はビール350mLを週5回程度.

家族歴:特記すべきことはない.

身体所見:意識は清明.身長164cm,体重70kg(体重減少:6か月で2kg減少),体温36.0℃,脈拍72回/分(整),血圧112/76mmHg,呼吸数15回/分,SpO2 98%(室内気).発声時に嗄声を認める.頸部リンパ節を触知しない.咽頭・扁桃・口腔内は異常なし.心音に異常を認めない.呼吸音は正常で左右差を認めない.腹部は平坦・軟で肝・脾を触知しない.ばち状指なし.下肢に浮腫なし.体表に明らかな外傷・手術痕はない.

【問題点の描出】

既往のない63

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