診療支援
診断

熱傷
70歳 男性
望月 俊明
(がん研究会有明病院救急部・集中治療部 副部長)

現病歴:冬の寒い日,自宅で石油ストーブを使用し,やかんでお湯を沸かしていたところ,誤って右上肢に熱湯をかけてしまい,右前腕に強い疼痛を認めるため,独歩受診となった.お湯をこぼした際,頭痛やめまい,脱力などがあったわけではない.

既往歴:特記すべきことはない.

生活歴:独居で喫煙歴,飲酒歴はない.

家族歴:特記すべきことはない.

身体所見:意識は清明.身長170cm,体重60kg,脈拍80回/分(整),血圧130/80mmHg,呼吸数12回/分,SpO2 96%(room air).口腔内や鼻腔にススの付着はなく,気道狭窄音などもなし.右前腕は全周性に紅斑を認め,一部破れた水疱を伴い,疼痛著明.右手手背にも水疱形成を認めるが,水疱底は白く疼痛は訴えず,触った感覚はやや鈍いと訴える(図1).離握手などの運動障害は認めず,毛細血管再充満時間(capillary refilling time; CRT)

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