診療支援
治療

22コカイン
上條 吉人
(北里大学特任教授・中毒・心身総合救急医学)

最初の10分メモ

含有する製品

・コカイン(クラック,コーラ,ノーズキャンディ,パウダーなど)


診断のポイント

・コカインの使用歴があるまたは使用を疑わせる所見(“coke burn”と呼ばれる瘢痕を伴う注射痕,慢性吸入患者の「鼻中隔穿孔」など)のある患者に,不穏・興奮,錯乱などの中枢神経興奮症状および散瞳,高血圧,頻脈などの交感神経興奮症状を認める.

・若い患者に頭蓋内出血または心筋梗塞を認めれば,コカイン中毒も疑う.

・鑑別診断にはTriage®が役立ち,COC(コカイン系麻薬)が陽性となる.

・ボディーパッカーまたはボディスタッファーでは,腹部X線で腸管内に異常陰影を認める.


治療のポイント

・高体温,不穏・興奮,高血圧,洞性頻脈に対しては,まずジアゼパムやミダゾラムなどのベンゾジアゼピン系薬物を投与.

・ボディパッカーまたはボディスタッファーでは,腸洗浄を考慮する.


Do&Don't

・プロプラノロー

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?