病態
主としてA群β溶連菌による上気道感染後1~3週で,急激に血尿,蛋白尿,浮腫,高血圧をきたす.乏尿,急性腎不全をきたすことも多い.小児に多いが,衛生環境の改善・抗菌薬の使用の増加により近年激減している.A群β溶連菌以外に,肺炎球菌,黄色ブドウ球菌,ウイルス(HBVなど),寄生虫,SLEなどが原因となりうる.「急速進行性腎炎症候群(RPGN)」とは異なる疾患であるが,およそ1%の症例で二次性RPGNを発症するとの報告があり,注意を要する.
[参考]
エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2020
異常値
・バイタルサイン 乏尿,無尿,高血圧,浮腫を呈する
・尿所見 血尿,蛋白尿を呈する.赤血球円柱を認めることもある
・補体価 ほぼ全例で低下し,本疾患の特徴であるといえる.6週以内に正常化する
・ASO,ASK 溶連菌感染によるものでは上昇する.感染後3~5週でピークとなる