診療支援
検査

溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)
堀田 晶子
(東京大学大学院医学系研究科・医学部臨床実習・教育支援室(腎臓・内分泌内科))

病態

 主としてA群β溶連菌による上気道感染後1~3週で,急激に血尿,蛋白尿,浮腫,高血圧をきたす.乏尿,急性腎不全をきたすことも多い.小児に多いが,衛生環境の改善・抗菌薬の使用の増加により近年激減している.A群β溶連菌以外に,肺炎球菌,黄色ブドウ球菌,ウイルス(HBVなど),寄生虫,SLEなどが原因となりうる.「急速進行性腎炎症候群(RPGN)」とは異なる疾患であるが,およそ1%の症例で二次性RPGNを発症するとの報告があり,注意を要する.


[参考]

 エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2020


異常値

・バイタルサイン 乏尿,無尿,高血圧,浮腫を呈する

・尿所見 血尿,蛋白尿を呈する.赤血球円柱を認めることもある

・補体価 ほぼ全例で低下し,本疾患の特徴であるといえる.6週以内に正常化する

・ASO,ASK 溶連菌感染によるものでは上昇する.感染後3~5週でピークとなる

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