症候を診るポイント
●「発熱」は臨床的な概念であり,「体温が高い」という現象だけではなく患者が苦痛を感じている健康問題としてとらえるべきである.
●敗血症を見逃さないことが何よりも肝要.ワークアップとして,病歴/身体所見からの感染臓器のすみやかな特定,感染臓器からの培養検体取得とグラム染色施行,血液培養複数セット(2セット以上)を行い,抗菌薬を遅延なく投与することが望まれる.
●diagnostic clue(診断のカギとなる病歴や所見)はしばしば遅れて出てくるため,経時的な観察が必要となる.そのため,診断未確定例においては,繰り返しでの病歴聴取と身体診察を行うことが望ましい.
▼病態生理
「発熱」は臨床的な概念であり,「体温が高い」という現象だけにはとどまらない.内因性の病態に患者が苦痛を感じ,「発熱」という健康問題を有した状況で医療者の前に登場したという一連の過程を示していることが多い.
病態
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