診療支援
治療

【8】感覚障害
sensory disturbance
後藤 淳
(済生会横浜市東部病院脳神経センター・副院長)

症候を診るポイント

●自覚症状を要領よく聞き出す.「しびれ」の内容が,異常な感覚,感覚脱失,筋力低下であることもあるので注意する.

●再現性の高い所見を引き出すためには医師と患者の協力が不可欠.

●感覚解離に注意して見逃さない(Wallenberg症候群など)ことを心がける.

▼定義

 体性感覚の障害を感覚障害という.体性感覚は,皮膚,皮下組織,筋肉,関節,骨膜に由来する感覚で,周囲の環境から得られる情報である.

▼病態生理

 体性感覚の様式(sensory modality)には,①表在感覚として温痛覚,触覚,圧覚,②深部感覚(固有感覚)として振動覚,位置覚,運動覚,③複合感覚(識別感覚)として二点識別覚,立体覚,皮膚書字覚などがある.末梢神経から脊髄,脳幹,視床,大脳皮質まで,後根神経節,脊髄後角細胞または後索核,視床核の後外側腹側核(ventral posterolateral nucleus:V

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