診療支援
治療

2 治療法の選択(大原則)
髙橋 和久
(順天堂大学大学院教授・呼吸器内科学)

 咳や呼吸困難などの自覚症状を主訴として医療機関を受診する場合と,症状に乏しく検診で異常陰影を指摘され医療機関を紹介受診する場合とがある.胸部X線で異常を認める場合は胸腹部CT,喀痰細胞診検査を行う.また,腫瘍マーカーも測定する.CTで異常が確認された場合は,①気管支鏡,②CTあるいは超音波下の腫瘍生検,③胸腔鏡下腫瘍生検のいずれかで確定診断をつける.その後の病期診断は,最近では全身のPET/CT,造影頭部MRIを行い,前項のTNM分類(表2-49)を用いて臨床病期(c-ステージ)を決定する(表2-50).なお,治療を行う前の画像を用いて判定をした病期を臨床病期という.臨床病期を決定したのち,患者の全身状態(performance status:PS)(表2-51),年齢,心血管病変,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COP

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