診療支援
治療

胸水
pleural effusion
瀬山 邦明
(順天堂大学大学院先任准教授・呼吸器内科学)

疾患を疑うポイント

●胸部X線正面像で肋骨横隔膜角(costophrenic angle:CP angle)の鈍化.

●側面像で肋骨脊柱角(costovertebral angle:CV angle)の鈍化.

●貯留量が多ければメニスカスサイン(meniscus sign).

学びのポイント

●生理的量を超える胸水の存在は,胸腔での病的プロセスの存在を示唆する.

●基礎疾患診断の契機となる.

●Lightの基準に従って漏出性あるいは滲出性胸水を鑑別することが重要である.

▼定義

 胸水は,胸腔に存在する液体で,約10~20mL前後(おおよそ0.26mL/kg体重)存在している.胸水の存在は呼吸に伴う肺と胸壁の滑らかな滑走を支える潤滑油の役割を果たしている.正常状態では,胸部X線では胸水の存在は確認できないが,何らかの病的プロセスにより増量すると認識できるようになる.

▼胸水の産生と吸収の病態生理

 生理的状態で

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?