●肺でのガス交換の状態を知るうえで重要な検査の1つであり,呼吸不全の診断,酸素療法の適応や投与法などを決める際に不可欠な検査である.
●動脈血の採血部位としては,橈骨動脈,上腕動脈,大腿動脈がよく用いられる.採血後すぐに血液ガス分析装置に検体を注入して,動脈血酸素分圧(PaO2),動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2),pHが測定される.
●基準値はPaO2が80~97Torr,PaCO2が35~45Torr,pHが7.35~7.45である.
●PaCO2は,肺胞換気量と反比例するため,低換気で高くなり,過換気で低くなる.
◎A-aDO2(肺胞気動脈血酸素分圧較差)(図2-53図)
●PaCO2が異なる(=肺胞換気量が異なる)血液ガス所見を比較する場合,PaO2は換気量によっても影響されるため,PaO2の絶対値のみを比較して肺での酸素化障害を評価することはできない.そこで,A-aDO2という指標が用いられ