疾患を疑うポイント
●小児から高齢者のいずれの年齢でも発症する.
●閉塞性心症状,塞栓による症状,発熱などの全身症状から診断されることもある.
●心エコーなどの画像診断が有用.
学びのポイント
●原発性心臓腫瘍では,良性は粘液腫が最も多く,悪性は肉腫が最も多い.
●粘液腫は左房に多く,血管肉腫は右房に多い.
●診断には,まず心エコーが有効.
●治療は良性の場合は外科切除術であるが,悪性の場合は,外科切除術が不可能であることが多く,放射線療法や化学療法を行うが一般的には予後不良.
●転移性心臓腫瘍では,心膜への転移が一番多く,原発は肺癌が最も多い.
●悪性黒色腫は高頻度に心臓に転移する.
▼定義・病態・疫学・分類
心臓腫瘍(cardiac tumor)は,原発性(primary)と続発性(転移性)〔secondary(metastatic)〕に分類されるが,原発性心臓腫瘍は,あらゆる年齢層でまれであり,その頻度は