診療支援
治療

心臓腫瘍
河野 浩章
(長崎大学大学院准教授・循環器内科学)
前村 浩二
(長崎大学大学院教授・循環器内科学)

疾患を疑うポイント

●小児から高齢者のいずれの年齢でも発症する.

●閉塞性心症状,塞栓による症状,発熱などの全身症状から診断されることもある.

●心エコーなどの画像診断が有用.

学びのポイント

●原発性心臓腫瘍では,良性は粘液腫が最も多く,悪性は肉腫が最も多い.

●粘液腫は左房に多く,血管肉腫は右房に多い.

●診断には,まず心エコーが有効.

●治療は良性の場合は外科切除術であるが,悪性の場合は,外科切除術が不可能であることが多く,放射線療法や化学療法を行うが一般的には予後不良.

●転移性心臓腫瘍では,心膜への転移が一番多く,原発は肺癌が最も多い.

●悪性黒色腫は高頻度に心臓に転移する.

▼定義・病態・疫学・分類

 心臓腫瘍(cardiac tumor)は,原発性(primary)と続発性(転移性)〔secondary(metastatic)〕に分類されるが,原発性心臓腫瘍は,あらゆる年齢層でまれであり,その頻度は

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