診療支援
治療

【4】神経筋疾患
諸岡 俊文
(山元記念病院・循環器内科部長)
野出 孝一
(佐賀大学教授・循環器内科)

筋ジストロフィー

 筋ジストロフィーは,遺伝性の骨格筋疾患をいい,心筋障害を伴うと,心不全,伝導路障害,不整脈,突然死を引き起こし,生命予後にも影響する.

1)Duchenne(デュシェンヌ)型筋ジストロフィー,Becker(ベッカー)型筋ジストロフィー

 いずれもジストロフィン遺伝子異常に起因する伴性劣性遺伝形式を示す.ジストロフィンは心筋構造および収縮機能を維持するために重要であり,Duchenne型ではジストロフィンが欠如しており,Becker型では変性ジストロフィンが生じて機能喪失している.このため筋細胞膜は脆弱で,筋線維の減少,壊死,線維化をきたし,拡張型心筋症のような心不全を引き起こす.Duchenne型は進行が速く,20~30歳代で死亡することが多く,Becker型の進行はやや緩徐であるため40~50歳代で死亡するケースが多い.Duchenne型は6歳頃に心筋障害が顕在化していき

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?