診療支援
治療

3 胃腺腫
gastric adenoma
岡田 裕之
(岡山大学大学院教授・消化器・肝臓内科学)

▼定義

 境界明瞭な良性上皮性病変で,腺管構造が主体の上皮内非浸潤性腫瘍である.

▼分類

 腸型と胃型があることがわかり2010年のWHO分類にも記されている.

腸型

 組織は小腸型の高円柱細胞からなる大きさの揃った管状腺管の密な増殖がみられる.核は細長く,基底膜側の配列を示す.

胃型

 幽門腺腺腫ともよばれ,組織は淡明あるいは好酸性の細胞質と小型円形核を有する立方細胞からなる大小の管状腺管が密に増殖する.頸部粘液細胞~幽門腺細胞への分化を示す細胞が主体をなす.

▼病態

 非腫瘍性の過形成性ポリープ,胃底腺ポリープと並んで胃にみられる良性ポリープである.一方で腺腫は腫瘍性ポリープであり,真の癌化率は不明であるが,前癌病変ともとらえておく必要がある.

 胃型腺腫に特徴的な遺伝子異常としてGNAS/KRAS変異がある.

▼診断

 内視鏡検査では腸型腺腫は周囲に比べやや褪色調から同色調の扁平な隆起病変として認められ

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