診療支援
治療

2 膵神経内分泌腫瘍
pancreatic neuroendocrine neoplasm(PNEN)
五十嵐 久人
(五十嵐内科・副院長)
伊藤 鉄英
(福岡山王病院・肝臓・胆のう・膵臓・神経内分泌腫瘍センター・センター長)

疾患を疑うポイント

●内分泌症状(インスリノーマ:低血糖症状,ガストリノーマ:心窩部痛,下痢,グルカゴノーマ:遊走性壊死性紅斑,糖尿病,VIPオーマ:頻回の水様下痢,脱水,ソマトスタチノーマ:糖尿病,胆石症)から機能性腫瘍を疑う.

●腹痛や黄疸を契機に非機能性膵神経内分泌腫瘍が診断されることもあるが,無症状で経過し診断時には進行例であることも多い.

学びのポイント

●稀少疾患であるが,近年増加傾向.

●機能性腫瘍と非機能性腫瘍に分類される.

●病理組織学的に高分化型腫瘍と低分化型腫瘍に分けられる.

●機能性腫瘍は内分泌症状から疑い,存在診断をまず行う.その後,各種モダリティを用いて局在診断を行う.

●遺伝性疾患の合併の検索が重要.

●外科的治療が原則.切除不能例について,高分化型腫瘍に対しては薬物療法(ソマトスタチンアナログ,分子標的薬,ストレプトゾシン)を,低分化型腫瘍に対してはプラチナベースの化学療法

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?